性交痛の克服で“結婚を機にセックスレス”の解消を

性交時に女性の膣が「濡れて」いなければ、挿入時に疼痛を訴えるのは必然的なこと。性交痛が性交嫌いやセックスレスの原因となる可能性も考慮すると、性交痛をなくし、性交をコミュニケーション手段の一つとして楽しむための環境を整える必要がある、と北村氏。

 では、実際にどの程度の女性が性交時に「濡れて」いるのか。「いつも濡れている」43.2%、「だいたい濡れている」42.4%の計85.6%が膣が潤滑している状態だった。一方で、性交痛については「いつも痛い」4.7%、「だいたい痛い」10.8%、「たまに痛いときがある」61.5%で、「痛みはない」と言い切ったのは23.0%のみ。

 膣潤滑と性交痛の関係を検討したところ、痛みを訴えるのは「いつも濡れている」グループで8.0%、「だいたい濡れている」グループで12.5%にとどまっていたのに対し、「全く濡れない」グループでは88.9%が痛みを抱え込んでいた。

 性交痛をパートナーに伝えているのは6割強に達していたが、痛みを伝えているにもかかわらず「いつも痛みを感じている」ケースも多い。北村氏は、性交痛による性的満足度の低下を抑え、セックスレスを助長しないようにする意味でも、膣潤滑剤を使用するなどの工夫、パートナーの理解・協力が必要だと指摘した。

 セックスレスを回避し、豊かな性の営みを楽しむために欠かせないと考えられるのが、パートナーが満足できる性交のための工夫だ。では、実際にどのような工夫が行われているのか。「特に何もしていない」との回答が約半数を占めてはいたが、残り半数からは、清潔を心掛ける、「愛している」などの言葉、エッチな言葉、照明や音楽などの工夫、酒を飲んで大胆に、下着に配慮、精力増強剤や勃起不全(ED)治療薬を使用などの回答が寄せられた。

 北村氏は「ちまたでよくいわれる“結婚を機にセックスレス”や少子化を抑える意味でも、性について正しく理解し、コミュニケーションの手段として楽しめるよう、皆で力を合わせていく必要がある。今後も調査を継続するとともに、そのデータを広く伝えて、積極的な議論の呼び水としたい」と強調した。

 

 

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